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2011年2月 ブータン王国ケサン・チョデン・ワンチュク王女が来日されました。

世界で地球環境の保全に著しい貢献をした者の顕彰を行う「KYOTO地球環境の殿堂」が2月13日開かれ、ブータンのシグミ・シンゲ・ワンチュク前国王が授賞した。
ワンチュク前国王は国民全体の幸福度を表す「国民総幸福(GNH)」を提唱し、ブータンの伝統文化や豊かな自然を守りながら国土開発や経済発展を行ってきた。
表彰式ではワンチュク前国王の娘のケサン・チョゼン・ワンチュク王女が出席し、メッセージを代読いたしました。
「ブータンの国民も経済成長や生活水準の向上を望んでいる。しかしより重要と考えるのは家庭や文化、自然環境のこと。
物質的な豊かさとは別の価値や尺度も国民生活にとって重要という考え方は、もっと国の政策に反映されるべき」と強調した。

基調講演(ブータン王国王女 ケサン・チョゼン・ワンチュク氏)

国民総幸福(GNH)はブータンの基本理念。16歳で国王になった父は、従来の物質的な豊かさを目指す開発モデルが本当に国民の幸せに繋がるのかという疑問を持った。
ブータンの隅々を旅してたくさんの国民に接し、声を聞き、国民の幸せを第一に考えて国を治めようと決心した。
従来モデルは経済成長によって国内総生産(GDP)を高めることを重視していたが、それによって起こるマイナスな部分についてはあまり考慮してこなかった。
工業化が進み、廃棄物や有害物質の問題が浮上し、開発に伴う自然災害も確実に増えている。
GNHは物質的な豊かさによって得るものと、持続可能な社会がもたらす価値のバランスを重視する。
調和のとれた社会を実現するには、経済成長以外の要素も必要だ。
国民の結束を強めるためにも伝統文化や地域社会、家族の絆が果たす役割は大きい。

GNHでは環境保全、経済的発展、文化振興、良い統治という4つの目標を掲げているが、これらをさらに9つの領域に分けた。
生活水準や健康、教育、優れた統治などだ。
文化的な要素を重視し、9つの領域のうち文化に関するものが4つある。
国民の幸福について調査を重ね、得た結果を政策に反映させた。
34年の父の治世の間に経済成長も進み、最貧国郡から脱した。国民1人あたりのGDPはインドなどよりも高いという。
その間も豊かな自然は守られてきた。 憲法では国土の60%以上の森林面積を維持することを定めているが、現在の森林面積は現在72%もあり、生物多様性の宝庫となっている。

父が退位する直前に実施した国勢調査によると、国民の97%が幸福だと考えていた。
この素晴らしい結果には、英国やフランス、ブラジルなども関心を示し、「ブータンモデル」と呼ばれるようになった。
日本は低い経済成長と高齢化社会に直面しつつあるため、GNHの考え方を取り入れてはどうか。
持続可能な社会を実現できるように、新しい方向性を見出し、世界をけん引してほしい。
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